明鏡の月のごとなる我が心(むね)に 金色の阿字 耀きて立つ
滴塵003
本文
明鏡の月のごとなる我が心(むね)に 金色の阿字 耀きて立つ
形式
#短歌
カテゴリ
#10.精神・悟り・心象
ラベル
#月 #精神 #悟り #光 #仏 #密教 #真言
キーワード
#明鏡 #心 #阿字 #金色 #照応
要点
心は明鏡のように清らかで、そこに仏の象徴である阿字が輝く。
現代語訳
明鏡のように澄んだ私の心に、金色の阿字が輝き立っている。
注釈
阿字:梵字で一番最初の文字。宇宙の根本・仏性を象徴する。大日如来の本体であり、すべての存在の根源を示す梵字。
明鏡:心が澄み切って真理を映す比喩。曇りなく澄み切った鏡や月。清らかな心の喩え。
耀きて立つ: 強く輝いて現れる。
解説
阿字観による瞑想的視点。自然の月と心と明鏡を重ね、仏性の顕現を象徴的に描写。
深掘り_嵯峨
これは密教の瞑想法を歌ったものです。「観想(かんそう)」によって、清らかな心(月)の中に、宇宙の真理そのものである「阿字」が内的に実現する様を描いています。
「我が心(むね)に」立つことで、仏と自己が一体となる即身成仏の境地が示唆されています。単に月を見るのではなく、その清らかな心こそが真理の器であるという、自己の内なる仏性を謳い上げる、力強い一首です。